親父の仕事

2018年10月10日

この前、久しぶりに父ちゃんに電話をかけた。
目的は自分の会社の事で、新しい農家仲間を紹介してほしい、
誰か面白そうな人いない?という感じの内容だった。

ご存知の方もいると思うが、僕の実家は牛を養っていたり、米を作っていたり、
一昨年くらいまではお茶も作っていた。父ちゃんはそっち方面には顔が広いのだ。
それで電話をかけてみたのだが、何故か父ちゃんの言葉にいつもの元気が無い。

話を聞いてると先月の台風のせいで、牛小屋が半壊したらしい。
宮崎の台風なんてのは、さほど珍しいものでもなく、
今までも幾度となく牛小屋の屋根が吹っ飛んだり、柵が壊れたりして、その度に修復し前に進んできた。

だが、、

「牛、やめるわ」

父ちゃんの思ってもみなかった言葉に僕はしばらく固まってしまった。
時間にしたらほんの2~3秒だったが、その間、僕は確かに走馬灯ってものを感じた瞬間だった。

思い出がフラッシュバックする。子供の頃からめちゃくちゃお手伝いをした。というかお手伝いの域を越えてもはや仕事だった笑
でも凄く楽しかった。色々機械を触らせてもらったり(ホントはダメなのかな笑)、
15時のティータイムが楽しみだったり、セリ市場について行ってみたりと。

「そっか…..」

それしか言葉が出てこなかった。
10歳若ければ何てことなく今まで通り壊れた個所を直し、再び立ち上がれたのだろうが、
老いが父ちゃんの気力も奪っていったのだろう。
できる事なら父ちゃん自身も続けたかっただろうし、
僕も宮崎に帰って牛小屋の修復工事を手伝いたいとこだが残念ながらそんな余裕もない。。

でも考えてみれば約40年間ほとんど休みのない仕事をし続け、
夫婦のどちらかが友達らと旅行などに行ってたとしても二人揃って行ったことはない。

僕も一昨年、小学生時代から数えるとプレイヤーとして約25年間、ずっとやってきた野球を辞め、
なかなか次に切り替えるのは難しかったが、今は楽しくやれている。

父ちゃんの牛養い歴は僕の野球歴より遥かに長く、切り替えるのも難しいかもしれないが、
別の世界もなかなか楽しいぞ!(^-^)

「おつかれさん、良かったね!」
「これから楽になるね」
「ゆっくり休んで」

一昨年、僕にくれた言葉をそのまま言ってやりました(笑)

ちゃお(^^)/

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